そんなわけないじゃん!
椎間板ヘルニア? いや、この痛みはいつもスキーの後に来るやつだよ。と頑なだった。とにかく認めたくなかった。だって肉離れで受診しているんだよ。
ここからドクターショッピングが始まった。(A病院は富山で日曜もやっている整形外科)
B病院は地元岐阜で有名なスポーツ整形外科。ちょうど平日の休みが取れたので行ってみた。手術も嫌いなことで知られていて、整形外科に来る人は手術ではなく筋トレとストレッチをすればほとんどの人がよくなると言っていたと思う。
レントゲンを数枚撮って先生の見立てだと椎間板ヘルニアではないとのこと。A病院でMRIを撮るので、また画像を持って来る旨を伝える。
C病院
脳神経外科として偏頭痛の薬をもらうためにいつも行っている。整形外科もやっている。問診だけでヘルニアではないんじゃないですか。とのこと。…まぁあまりこちらも真剣に聞いてはいなかったけど、触診ぐらいしてもいいんじゃない?
と、そこそこやっている間にあっという間に二十六日に。なんとか仕事を切り上げて病院へ。実はこの病院仕事場から四十キロ程度離れていて高速で一時間切れるぐらいの距離なのだ。
結果は二十九日となった。この頃、ふくらはぎの裏の痛みは日に日に痛さを増しておりこのあたりからシャワーを浴びるにも立って浴びるようになったりパンツを履くのも苦労するようになりつつあった。まだなんとか靴下ははけていた。
運命の二十九日。
名前を呼ばれて診察室に入るなり、目に飛び込んできたのは、自分のMRI画像。
そして、明らかに飛び出ている!
「確かに、ヘルニアですね!」
ヘルニアのMRI画像は調べるうちにいろいろ見てはきたもののここまで立派なものもなかなかないと思う。とりあえず、素人目に見ても椎間板ヘルニアと認めざるを得ないほどはっきりしたものだった。
僕は膝の担当だからと先生は腰の先生の予約を取ってくれるらしい。そこで取引先の社長から聞いた富山大学の先生を指名。またしても水曜日の午前中という大変な時間になってしまった。
歩くのもつらそうな僕に"とりあえず一本いっとく?"的なノリでブロック注射を薦めてきた。
あれが痛いと噂のブロック注射か! この痛みから解放されるならとベッドに寝っ転がる。近くに薬を置くための足つきの台がちょうどいい高さに合ったので食いしばれるようにがっちりと両手でホールド。
"さあ、こい!"
と、思ったらそんなに痛くない。んん? と思っていたら突如、右足に腰からつま先まで電撃のような痛みが走る! 思わず
「右足、いたっっ!!」
と叫ぶと
「あー、それじゃこれキクよー」
と先生。そんないい酒はこれがあるんだよみたいなノリで言わないでと思いながら、はい終わったから降りてね。
じゃ、来週の水曜日そのK先生に見てもらってね!
で終わってしまった。ブロック注射って終わった後一時間程度は薬剤を留めるために寝てないとだめじゃないの? とは思うけれどとりあえず言われたとおりにする。
これにて一本目のブロック注射が終わった。
ブロック注射をうって診察室から出る頃にはもういきなりよくなる人も多いそうだが、残念ながら自分はそういうタイプではないらしく、日が経つにつれて段々とよくなってくるのが実感できたタイプだった。
それでも次の腰の専門であるK先生の診察日にはもう結構腰が痛くなってきて二本目のブロック注射をお願いしたのだった。
このあたりからいよいよ椎間板ヘルニアだと言うことが真実味を帯びてきて、いろいろ調べるようになった。